僕は君の名前を呼ぶ


「ハァァァ…」


今にも語尾にハートがつきそうな夏樹の声を聞いて、盛大なため息が漏れた。


「ため息つくほど嫌なのかよー」


隆太が頬を膨らませプンプンしだした。


「違うよ。隆太が相変わらずだなって思ってあきれてたんだよ」


「なにおうっ!」


「ちょっ、おい!」


隆太が襲いかかってきた。


バランスを崩した俺はそのまさっきまで寝ていたベッドに、隆太とダイブしてしまった。


「「プッ、ハハハハハ!!」」


大人の男がふたり、ベッドの上で爆笑するなんて何て滑稽なんだろうか。


でもそれが、今は嬉しい。


「俺もまぜなきゃ、怒るぞぉっ」


「う、うわあ!」


夏樹の声が聞こえたかと思うと隆太の上に倒れこんだのか更に重みを感じた。


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