僕は君の名前を呼ぶ


「お前ら、早く降りろ!」


大学生になってまで、こんなことをするなんて思っていなかった。


でも、高校時代に戻ったみたいで楽しい。


色々あったけど、何だかんだで楽しかった。


隣に彩花がいて、隆太がうるさくて、それを渡辺が注意して、夏樹が異常にマイペースで…。


「元気出たか? 海斗」


「えっ…?」


「ちょうど海斗も、弱っているとこかなーって。しばらく橘と会えないみたいだし激励会? みたいな」


「隆太…」


本当に弱っているのかもしれない。


隆太と夏樹の優しさに、涙が出そうだ。


こんなこと言ったらふたりから「気持ち悪い」とか「乙女かよ」って言われるのが目に見える。


ここは、我慢だ。


「隆太も夏樹も、ありがとうな」


< 305 / 419 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop