僕は君の名前を呼ぶ
「お前ら、早く降りろ!」
大学生になってまで、こんなことをするなんて思っていなかった。
でも、高校時代に戻ったみたいで楽しい。
色々あったけど、何だかんだで楽しかった。
隣に彩花がいて、隆太がうるさくて、それを渡辺が注意して、夏樹が異常にマイペースで…。
「元気出たか? 海斗」
「えっ…?」
「ちょうど海斗も、弱っているとこかなーって。しばらく橘と会えないみたいだし激励会? みたいな」
「隆太…」
本当に弱っているのかもしれない。
隆太と夏樹の優しさに、涙が出そうだ。
こんなこと言ったらふたりから「気持ち悪い」とか「乙女かよ」って言われるのが目に見える。
ここは、我慢だ。
「隆太も夏樹も、ありがとうな」