僕は君の名前を呼ぶ


「ぬ、ぬわっ!」


隆太が俺の腰のあたりに手を当てたのだ。


「ホラホラ、こんなに痩せて。これ以上もやしになってどうすんだよ。体が資本だって高校の頃から言ってるだろ」


「痩せすぎだな。ひょろいな~、海斗。そんなんで彩花を守れるのか?」


隆太に続いて、さりげなく俺の腹をつつきながら言う夏樹。


夏樹も隆太も、心配してくれてるんだかけなしてるんだか…。


「そういうことで、今日は休もうぜ。予定もないんだろ?」


「ま、まあ…」


俺にいたずらっ子のような目を向ける隆太。


隆太のこの目をするときは、俺が何を言ってもきかないときだ。


「じゃあ今日は食い倒れツアーで決定だ!」


「イエーイ!」


まだ朝なのにテンションがほぼマックスの状態のふたりが騒ぐ。


今日はそんなふたりと、俺も騒ごうと思う。


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