僕は君の名前を呼ぶ
「もしもーし! 篠田です。久しぶりー! 覚えてる? あは、びっくりした? 実はな、今海斗とのんでるんだ」
上機嫌で今の状況を彩花に説明する隆太。
俺は彩花がどんな反応をしているのが気になって仕方ない。
「そんでそんで! って、え!」
「早く俺にかわれ」
隆太は会話の途中だったみたいだが、今度は夏樹が隆太からケータイをひったくった。
「あ、もしもし? 俺。夏樹。あは、びっくりした? 彩花元気にしてたか?」
夏樹が質問ばかりぶつける。
どこの知りたがりだよ…。
彩花の困った顔が目に浮かぶ。
「海斗が『彩花に会えないよ~』って泣きべそかいてたから俺らで元気づけてたんだ。海斗、痩せちゃって…」
「~~~~~~っ! もういいだろ! 早くケータイ返せっ!」