僕は君の名前を呼ぶ
両親の離婚。
義理の父親からの暴力。
今まで決して良いとは言えない環境に置かれてきた彩花だったから。
せめて、我が家で良ければ、居させてやりたいって思ったんだ。
「じゃあ、決定ということで♪ お母さん、彩花ちゃんとお話したいから疲れているとこ悪いけど、海斗は夕飯の支度よろしくね!」
「わたしで良ければやりますよ!」
「いいのいいの♪ 彩花ちゃんは気にしないで~」
彩花、母さんに強制連行…。
久しぶりの我が家だし、彩花もいるし、腕をふるおう!
…絶対あのふたり、俺の悪口言ってるよ……。
彩花と母さんのガールズトークを聞きながら、キッチンに立つ俺。
リビングで、父さんはコーヒーを飲みながら新聞。
兄貴はテレビのバラエティー番組を見ながらひとりで大爆笑。