僕は君の名前を呼ぶ
こういう、家族の風景っていいなあ。
どこにでもある風景なのかもしれない。
けれど、それが温かい。
いつか俺も築けるのかな。
彩花と、ふたりでこんな家庭を…。
「かーいとっ!」
「ぅおっと!」
しみじみしながら家族の姿を眺めていると、彩花が隣にやって来て、俺のお尻を軽く叩いた。
「いいね、お母さんもお父さんも瑛斗さんも」
「彩花、母さんと俺の悪口言ってただろ?」
「あは、バレたぁ?」
ウフフと笑う彩花。すんげーかわいい!
3人の目がこっちに向いていないことを確認して、そんな彩花に触れるだけのキス。
彩花とキスするの、久しぶりだなあ。
「わたしたちも、こんな家族になれたらいいね」
「…やべぇ。俺も彩花と全く同じこと考えてた」
「ホント!?」
「うん」
彩花の夢。俺の夢。
ふたりで実現できるように、頑張ろうな。