僕は君の名前を呼ぶ
微炭酸のレモンスカッシュ
──「どこで踏み外したか」
そう問われたなら、間違いなく俺はこの日のことを思い浮かべるだろう。
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“サークルの飲み会がある”
夏樹にそう聞かされたのは数日前のこと。
隆太と夏樹と3人で飲み明かし、採用試験が落ち着いてからしばらく経った日だった。
採用試験のためにこっちに戻ってきた彩花としたのは、結局ご飯を食べるくらい。
会えなかった分を埋め合わせることはできなかった。
…わがままだけど、もう少し一緒にいたかったな。
なぜ夏樹が俺の所属するサークルの飲み会の存在を知っているのか。
答えは簡単だ。
夏樹と俺は、同じサークルに入っているからだ。
入学前から写真サークルに入ると心に決めていた俺。
そのことを夏樹に告げると夏樹も俺を追いかけるように写真サークルに入ってきたのだ。
当時はまだ夏樹と出会ったばかり。
夏樹の性格を理解していなかった俺は当たり前のようにこのことを言った。
あのときの俺に言ってやりたい。
「そんなこと夏樹に言うな。言ったらお前に夏樹はついていくぞ」、と。
後悔しても、遅いんだけど。
まあ人生というものは後悔の繰り返しでこんなものなんだろう、と思ったりもする。