僕は君の名前を呼ぶ


一方、もうひとりの親友──篠田隆太は、女に対してはひたすら不真面目、不誠実。


ピークはすぎたみたいだけど、こっちが引くくらいに軽い。


でも言い換えれば、女の子がたくさん寄り付くくらい魅力的ってわけで。


ついでにいえば、男に対してはひたすら饒舌でうるさい。良く言えば…天真爛漫、といったところだろうか。


コミュニケーション力に長けていて、内からにじみ出る隆太の明るさにも助けられた。




きっと俺は友達に恵まれている。


ずっと付き合っていきたいと思えるくらい、このふたりは大切な存在。


…なんて、夏樹と隆太に言ったら冷ややかな目見られそうだな。




再び夏樹に目を向ける。


テレビとスナック菓子に夢中のようだ。これはお泊まりコースだな。


「夏樹。昼飯か夕飯、どっちかおごってどっちか作るけどどうする?」


「昼飯は海斗のおごりで焼き肉! そして酒!」


テレビに夢中だったのに、反応が早い!


目先の幸せにフォーカスを当てるのも、夏樹らしい。


「正気かっ!? 昼から焼き肉とか、胃袋ぶっ壊れるぞ! それに、酒までおごれる金なんてねえぞ」


「俺は常に正気だ。それに海斗は俺にいっぱい感謝しなきゃならないんだ。誠意を見せろ、誠意を!」


「…はいはい。」


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