僕は君の名前を呼ぶ
『海斗の幸せはわたしの幸せ。わたしの幸せは海斗の幸せ。だからわたしは、海斗の隣で海斗だけを愛すの』
いつだって彩花は口癖のようにこう言ったよな。
俺は彩花の幸せを願った。
けど、彩花の幸せを奪ってしまった。
そのことに気づいたときにはもう、遅かった。
すべてが終わってしまったから。
過去には戻れない。
終わった過去は変えられない。
だからさ、彩花。
俺と一緒にもう一度スタートしてくれないか。
俺にチャンスをくれないか。
必ず、彩花に“輝く未来”を見せてやるから。
今度はその手は絶対に離さないから──。