僕は君の名前を呼ぶ


「…わたし、海斗のこと愛していいの?」




──『海斗の幸せはわたしの幸せ。わたしの幸せは海斗の幸せ。だからわたしは、海斗の隣で海斗だけを愛すの』




いつかの彩花の言葉がまた脳内で再生される。


そうだった。


いつだって彩花は俺の幸せを一番に考えてくれていた。


ふたりの幸せは、ふたつでひとつなんだ。


片方でも欠けたら、それはもう“幸せ”とは呼べない。


だからさ、ずっとふたりで一緒にいよう。




「彩花、好きだ。愛してる…」


「わたしも…。海斗だけを、愛してる」




豪雪の中、ふたりで紡ぎ合った愛が、確かにそこで光っていた。


それはまるで、ふたりの“輝く未来”への道標のように──。


─────
──


< 388 / 419 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop