僕は君の名前を呼ぶ


中学校のものより少し大きな黒板に貼り出された座席表で自分の席を確認する。


座席は、太陽の暖かそうな光に照らされている窓側の前から2番目。


こんなにぽかぽかするんだったら、授業中は寝ちゃいそうだな。


荷物を机の上に置き、窓の外に目をやると、風で舞い上がった桜の花びらが見えた。


俺はそいつにつられて無意識のうちに窓を開け、身を乗り出した。



花びらはもうどこかに飛んでしまっていたが、大きな桜の木が目に飛び込んだ。



さっきまでは死角に入っていて見えなかったようだ。


大きな木には薄ピンク色のサクラがたくさん咲いている。


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