僕は君の名前を呼ぶ
隆太が橘さんに流れることはないと思うけど、橘さんが隆太に流れてしまったら嫌だし。
隆太とふたりにするのは俺が不安だ。
「うん、ありがと! …でも、青木くんと話すのも楽しいよ」
「えっ、そ、そうか?」
「わたしもお喋りはあまり得意じゃないけど、
青木くんが上手く話を聞いてくれるからすごく喋りやすいよ」
「は、初めて言われた…」
「じゃあ今日は初めて尽くしだね」
そう言いながら、橘さんが俺の顔を覗いてきたので、目が合った。
…何回目が合ったとしても、慣れそうにないな。