僕は君の名前を呼ぶ
「わたしも普段は聞き役だから、青木くんも話したくなったら話していいからね」
「おう、じゃあ早速そうさせてもらおうかな。
…こんなこと言っておいて何話したらいいかわかんねぇや。橘、どんな話が聞きたい?」
本当に俺は、話すのが下手すぎる。
こんなの橘にあきれられるよな。
「『どんな話が聞きたい?』って青木くん、しゃべるのに本当に慣れてないんだね。
わたしもそうだから気持ちわかるよ」
「やっぱ、聞き役に徹するのが一番だよなあ」
橘さんは「そうそう」と相づちを入れた。