僕は君の名前を呼ぶ
“優しい”“優しくない”のラリーがしばらく続いて…
「「アハハハハ!」」
俺たちはふたりで声を上げて笑った。
やっぱり橘は笑顔がよく似合う。
雨音で周りの音が消されて、まるで世界には俺たちふたりしかいないような錯覚に陥った。
こんな小さな幸せが続けばいいのにな。
「橘はさ、進路ってどうするの?」
「就職か進学か悩んでるけど早く家は出たいなあ」
「そう、、、だよな。ごめんな思い出したくないよな」
「ううん。…青木は?」