[完]Dear…~愛のうた~
「弱くてもいいんだよ……
その弱さも、強がりも……
隆弘の全てを、私に分けて欲しい。
隆弘の全てを、私は知りたい……」

すると隆弘はそのまま私を勢いよく抱きしめる。

「ごめん、実彩……
こんな俺でごめんな?
実彩、ごめん……許してくれ……」

そんな弱々しい声を耳元で聞きながらも
私は彼を支えながら大量の涙を流していた。

周りを見ると真司くん以外みんな泣いていて、
杏奈は真司くんに支えられながら泣いている。

真司くんは凄いなって……

一番年下なのに、感情をコントロール
出来るんだって、改めて実感した。

でもきっと、そんなクールボーイでも
本当は悲しいんだよね……

そんな中、私はさっきのゆかりんからの手紙を
思い出していた。

_________

ーみーちゃん 杏奈へ

こんな形になっちゃってごめんなさい。

私、今日からあなた達のマネージャーを
辞めることにしたの。

急でごめんなさい……

けれど、ずっと、いつかはそうなるって
考えてたの。

でも、私の口から言えなくてごめんなさい。

私はこれから秀と二人でここを出ます。

いや、もうこの近くにはいません。

ここから遠いどこか、海の先にいます。

私達はこれから駆け落ちをするの。

だから、ママとも縁を切った。

だから、もうここにはいれません。

そして、秀もChargeを抜けます。

みんなには本当に迷惑掛けると思います。

けれど、そんな弱った部分を埋めれるような
立派なグループになって下さい。

これから何があるかわからない。

けど、そんな時は私を思い出して
勇気を貰ってくれたら嬉しいです。

そして、Chargeとは良い関係を築いて下さい。

出来れば、支え合って
たくさん壁を乗り越えて下さい。

そして、みーちゃんは隆をよろしくね?

ああ見えて、弱いところはたくさんあるから。

それを支えれるような人に
みーちゃんはなって下さい。

杏奈も、真のことはお願いします。

杏奈も素直になって、
真と向き合ってみるのもいいかもしれないよ?

私はいつでもどこでも
あなた達の幸せを願っています。

ライブには、行けたらちゃんと行くから。

これからもたくさん活躍してね!!

何か悩みがあったらいつでも電話して?

そして、いつでも遊びに来てね。

こんな形でごめんなさい。

ありがとう、幸せになってね!!

そして、さようなら……

       友香理______
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