[完]Dear…~愛のうた~
_______
車内の雰囲気はもちろん悪い。
実彩は膝を抱えて泣いているし……
俺はただ黙って運転しているが、
きっと実彩は怒ってると思っているだろう。
傷口を見てみるとさっきよりも酷く
パックリと切れ目がわかっていた。
ーキーッ……
「……え?」
俺は車を止めて実彩に近づく。
実彩は俺から少し体を背けながら
困惑した顔を見せる。
「傷、残るから……」
俺は近くのコンビニで消毒と絆創膏を買った。
そしてそのまま、実彩の手当てに移る。
「った……」
消毒をつけると実彩が痛そうに顔を歪める。
でも俺はひたすら手当てを続けて
実彩との距離を縮めていく。
「麗」
俺がそう言うと実彩の体はピクッと反応する。
「麗は幼なじみ。そして、俺が傷つけた元カノ」
すると実彩はやっぱりというような顔で
俺から顔を逸らす。
わかってる、実彩が傷ついて、傷つけることも……
けれど、実彩には誤解されたくない。
ちゃんと、真実を知って欲しい。
「麗のことはずっと好きだった。
別れた後もずっと好きだった」
すると実彩は急に顔を見せて俺をキッと睨んだ。
「だから何?私に別れてくれって?」
そう強がる実彩の瞳は
寂しそうに、悲しげにゆらゆらと揺れていた。
「麗って子がまだ好きだから、私と別れてって?
そんなの勝手にすればいいじゃない。
大体私は「俺が麗の左足を奪ったんだ」
実彩の声を遮ると、実彩は目を見開いて俺を見た。
「俺が麗を事故に巻き込んだんだ。
だから、俺は麗のそばにはいられなかった」
実彩は心配そうな顔で俺を見る。
「だから、しばらくは忘れられなかった。
けれど、今は違う。
俺には、実彩がそばにいるから」
この気持ち、ありったけのこの気持ちを
どうしても実彩に伝えたかった……
車内の雰囲気はもちろん悪い。
実彩は膝を抱えて泣いているし……
俺はただ黙って運転しているが、
きっと実彩は怒ってると思っているだろう。
傷口を見てみるとさっきよりも酷く
パックリと切れ目がわかっていた。
ーキーッ……
「……え?」
俺は車を止めて実彩に近づく。
実彩は俺から少し体を背けながら
困惑した顔を見せる。
「傷、残るから……」
俺は近くのコンビニで消毒と絆創膏を買った。
そしてそのまま、実彩の手当てに移る。
「った……」
消毒をつけると実彩が痛そうに顔を歪める。
でも俺はひたすら手当てを続けて
実彩との距離を縮めていく。
「麗」
俺がそう言うと実彩の体はピクッと反応する。
「麗は幼なじみ。そして、俺が傷つけた元カノ」
すると実彩はやっぱりというような顔で
俺から顔を逸らす。
わかってる、実彩が傷ついて、傷つけることも……
けれど、実彩には誤解されたくない。
ちゃんと、真実を知って欲しい。
「麗のことはずっと好きだった。
別れた後もずっと好きだった」
すると実彩は急に顔を見せて俺をキッと睨んだ。
「だから何?私に別れてくれって?」
そう強がる実彩の瞳は
寂しそうに、悲しげにゆらゆらと揺れていた。
「麗って子がまだ好きだから、私と別れてって?
そんなの勝手にすればいいじゃない。
大体私は「俺が麗の左足を奪ったんだ」
実彩の声を遮ると、実彩は目を見開いて俺を見た。
「俺が麗を事故に巻き込んだんだ。
だから、俺は麗のそばにはいられなかった」
実彩は心配そうな顔で俺を見る。
「だから、しばらくは忘れられなかった。
けれど、今は違う。
俺には、実彩がそばにいるから」
この気持ち、ありったけのこの気持ちを
どうしても実彩に伝えたかった……