[完]Dear…~愛のうた~
_____
何時間ここにいただろう。
ただボーっと座って海を眺めていた。
「実ー彩」
そんな時、後ろから声が聞こえた。
それは、変わらないあの笑顔と
お茶目な性格丸出しの杏奈の声だった。
「隆、目覚ましたよ」
杏奈は私の顔を疑いながら
私の隣にちょこんと座る。
「みんな、心配してるよ?そろそろ帰ろ?
ほら、これからみんなで
トランプやろって話してたじゃん」
そうだけど……
私はそのまま首を振る。
「……隆に、会いたくない?」
か弱く細い声が耳に届く。
違う、杏奈にこんな声させたい訳じゃないの。
それに、隆弘に会いたくない訳じゃないの。
私はそのまま携帯を取り出して
杏奈に気持ちを伝える。
“声が出て欲しいの”
すると杏奈の顔は一気に悲しく染まる。
“歌いたい……
このありったけの思いを歌にして届けたいの”
私のむしゃくしゃした気持ちを
声に出して、吐き出したいの……
“私、歌いたい。
そしたら、ちゃんと自分の気持ちが
整理出来る気がするの。
それにね、腕だって早く治って欲しい。
治るかわからないなんて言われたけど、
自分でもわかるの、この腕はもう少ししたら治る。
そしたら、たくさんの人と手を繋ぎたいの”
すると杏奈は私をギューっと抱きしめた。
「ごめんね、実彩。
苦しいよね?つらいよね?
けれど、私何もしてないよ」
私はその言葉に首を振る。
杏奈は私に毎日顔を見せてくれて、
毎日私のことを看病してくれた。
だから、杏奈にいつも助けられてるんだよ……
「私ね、実彩に隠してたことがあるの」
そして、杏奈は私の顔をジッと見る。
「私ね、真ちゃんとずっと前から付き合ってるの」
前からそれは気づいてたけど、
こうやって正式に言われたのは初めてだ。
「本当はすぐ報告したかったんだけど、
実彩がこんな状態だし、
隆のこともあるから
言わないほうがいいと思ってた。
けどね、私やっぱり実彩には伝えようと思って。
ずっと隠しててごめんね」
私は再び首を振る。
それは、杏奈なりの気遣いだったんだよね?
「私達がハワイ旅行に行こうって言ったのは
二人を元気づける為でもあったけど、
私達の記念も兼ねてだったの」
その言葉に少し疑問を持つ。
「実は今日、私達の3ヶ月記念日なの。
だから、それを祝う為に「ギュッ」
私は杏奈の言葉を遮って杏奈を強く抱きしめた。
「え、実彩?」
だったら行かないと……
こんなとこでへこんでないで、祝ってあげないと。
私はそのまま杏奈を立ち上がらせて
そのまま手を引っ張ってホテルへと向かった。
今日は、思う存分お祝いしようと心に決めて。
この後、私に何が起きるかも知らずに……
何時間ここにいただろう。
ただボーっと座って海を眺めていた。
「実ー彩」
そんな時、後ろから声が聞こえた。
それは、変わらないあの笑顔と
お茶目な性格丸出しの杏奈の声だった。
「隆、目覚ましたよ」
杏奈は私の顔を疑いながら
私の隣にちょこんと座る。
「みんな、心配してるよ?そろそろ帰ろ?
ほら、これからみんなで
トランプやろって話してたじゃん」
そうだけど……
私はそのまま首を振る。
「……隆に、会いたくない?」
か弱く細い声が耳に届く。
違う、杏奈にこんな声させたい訳じゃないの。
それに、隆弘に会いたくない訳じゃないの。
私はそのまま携帯を取り出して
杏奈に気持ちを伝える。
“声が出て欲しいの”
すると杏奈の顔は一気に悲しく染まる。
“歌いたい……
このありったけの思いを歌にして届けたいの”
私のむしゃくしゃした気持ちを
声に出して、吐き出したいの……
“私、歌いたい。
そしたら、ちゃんと自分の気持ちが
整理出来る気がするの。
それにね、腕だって早く治って欲しい。
治るかわからないなんて言われたけど、
自分でもわかるの、この腕はもう少ししたら治る。
そしたら、たくさんの人と手を繋ぎたいの”
すると杏奈は私をギューっと抱きしめた。
「ごめんね、実彩。
苦しいよね?つらいよね?
けれど、私何もしてないよ」
私はその言葉に首を振る。
杏奈は私に毎日顔を見せてくれて、
毎日私のことを看病してくれた。
だから、杏奈にいつも助けられてるんだよ……
「私ね、実彩に隠してたことがあるの」
そして、杏奈は私の顔をジッと見る。
「私ね、真ちゃんとずっと前から付き合ってるの」
前からそれは気づいてたけど、
こうやって正式に言われたのは初めてだ。
「本当はすぐ報告したかったんだけど、
実彩がこんな状態だし、
隆のこともあるから
言わないほうがいいと思ってた。
けどね、私やっぱり実彩には伝えようと思って。
ずっと隠しててごめんね」
私は再び首を振る。
それは、杏奈なりの気遣いだったんだよね?
「私達がハワイ旅行に行こうって言ったのは
二人を元気づける為でもあったけど、
私達の記念も兼ねてだったの」
その言葉に少し疑問を持つ。
「実は今日、私達の3ヶ月記念日なの。
だから、それを祝う為に「ギュッ」
私は杏奈の言葉を遮って杏奈を強く抱きしめた。
「え、実彩?」
だったら行かないと……
こんなとこでへこんでないで、祝ってあげないと。
私はそのまま杏奈を立ち上がらせて
そのまま手を引っ張ってホテルへと向かった。
今日は、思う存分お祝いしようと心に決めて。
この後、私に何が起きるかも知らずに……