[完]Dear…~愛のうた~
するといきなり右頬に軽い痛みが走った。
驚いて目を開けると実彩は涙を流しながら
俺を下から睨んでいた。
そしてそのまま財布を手に取って
俺の横を通り過ぎていく。
「おい、実彩!!」
俺はそのまま必死に実彩を追いかける。
実彩は医者から走るなと言われているのに
そのまま俺から逃げるように走っているから
どうしても、止めなきゃならない。
「おい、実彩待てって!!」
細い腕をギユッと掴むと
ようやく実彩は立ち止まった。
「実彩、走るなって言われただろ。
何で走って「バタッ」
……え?
一瞬のことで何が起きたのかわからなかった。
ただ、視線を下にやると
そのまま実彩が倒れていた。
「実彩!!」
俺はそのまま実彩を持ち上げると
実彩は息苦しそうに呼吸をしている。
いや、通常通りの呼吸をしていない。
すぐわかった。
これは、発作だ。
俺は杏ちゃんから預かった
実彩の吸入薬を口に入れ込む。
「実彩、吸え。大丈夫だから」
すると実彩は眉間にしわを寄せながらも
俺の指示に従ってくれた。
「吸って、吐いて、息止めて。
これを繰り返すんだ」
思ったより意識はあるみたいで
実彩は素直に従ってくれた。
次第に実彩の呼吸も安定してきた。
俺はそれを見越して実彩をホテルへと運んだ。
______
実彩の部屋に入ることは出来なかったから
俺と真司の部屋に入りそのままベッドに寝かす。
実彩の額からは汗が出ていてとても苦しそうだ。
わかってる、何で実彩が発作を起こしたかくらい。
俺が実彩を走らせたから、こうなったんだ。
そして俺の視線は自然と痙攣している腕にいく。
俺は気づいたのだ。
実彩の腕の痙攣は収まってきていると。
そしてそっと実彩の手を握る。
実彩の体が少しでも良くなるように願って。
だって今の俺にはこんなことしか出来ないから。
行動に出すと、実彩を傷つけてしまうから……
驚いて目を開けると実彩は涙を流しながら
俺を下から睨んでいた。
そしてそのまま財布を手に取って
俺の横を通り過ぎていく。
「おい、実彩!!」
俺はそのまま必死に実彩を追いかける。
実彩は医者から走るなと言われているのに
そのまま俺から逃げるように走っているから
どうしても、止めなきゃならない。
「おい、実彩待てって!!」
細い腕をギユッと掴むと
ようやく実彩は立ち止まった。
「実彩、走るなって言われただろ。
何で走って「バタッ」
……え?
一瞬のことで何が起きたのかわからなかった。
ただ、視線を下にやると
そのまま実彩が倒れていた。
「実彩!!」
俺はそのまま実彩を持ち上げると
実彩は息苦しそうに呼吸をしている。
いや、通常通りの呼吸をしていない。
すぐわかった。
これは、発作だ。
俺は杏ちゃんから預かった
実彩の吸入薬を口に入れ込む。
「実彩、吸え。大丈夫だから」
すると実彩は眉間にしわを寄せながらも
俺の指示に従ってくれた。
「吸って、吐いて、息止めて。
これを繰り返すんだ」
思ったより意識はあるみたいで
実彩は素直に従ってくれた。
次第に実彩の呼吸も安定してきた。
俺はそれを見越して実彩をホテルへと運んだ。
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実彩の部屋に入ることは出来なかったから
俺と真司の部屋に入りそのままベッドに寝かす。
実彩の額からは汗が出ていてとても苦しそうだ。
わかってる、何で実彩が発作を起こしたかくらい。
俺が実彩を走らせたから、こうなったんだ。
そして俺の視線は自然と痙攣している腕にいく。
俺は気づいたのだ。
実彩の腕の痙攣は収まってきていると。
そしてそっと実彩の手を握る。
実彩の体が少しでも良くなるように願って。
だって今の俺にはこんなことしか出来ないから。
行動に出すと、実彩を傷つけてしまうから……