[完]Dear…~愛のうた~
「はい」
「ありがとうございます」

私はちゃっかり隆さんにコーヒーを買ってもらった。

「実彩さんって19歳?」
「あ、そうです」
「じゃ、敬語なしで。俺も19だから」
「そーだったんですか!!」
「ほら敬語」

すかさずつっこみを入れる隆さん。

「あ、ごめん……」
「よしっ」

そう言って嬉しそうに笑う隆さんに思わず笑みがこぼれる。

「ってことは……
杏奈も同い年だからタメなんだね」
「へー杏ちゃんも同い年なんだ。
秀と光も俺らと同じだよ?あ、違った。
秀は俺と同期なだけ」
「へー、こう思うと同い年ばっかり!!」
「だな。秀とゆかりんは学校も同じで
同級生だっていったし」

隆さんは自販機で買ったスポーツドリンクを飲みながら教えてくれる。

「そういうのって憧れるよね!!
でも私のとこにいい人なんていなかったなー」
「それ言っちゃダメだから」
「そっか」

それから私達は二人で笑い合った。

すると隆さんが

「実彩さんこの後何か用事あった?」

と聞いてきた。

「ううん、でも7時から美容室予約してる」

今は2時半だし……

「そっか……じゃ、俺らの溜まり場でちょっと話す?」
「へ?いいの?」

ちょっとあそこに入ってみたかったから少し興奮気味でかじりつく。

「俺は別にいいよ?ゆかりんもよく来るし」
「でも隆さん以外に人いるんじゃ……」
「いや、みんなジムとか用事あって今は一人だけ」
「そっか、じゃあお邪魔しようかなー♪」
「いいよ?じゃ、行こっか」

そのまま私達はあの溜まり場に行くことにした。

その歩いている途中……

「ねぇ……」
「ん?」
「実彩って呼んでいい?」

隆さんに名前を呼ばれてドキッとした。

「うん、いいよ?」
「やった♪じゃ、俺は隆弘って呼んで?」

嬉しそうに笑って私に話し掛ける隆弘。

「わかったけど……隆じゃなくていいの?」
「何で?」
「みんな隆って呼んでるから……」
「うーん……実彩は特別」

かわいい顔してそういう隆弘は反則……

特別……

そのフレーズに思わずにやけてしまう。

「……ありがと」

私は照れている顔を隠しながら頑張って平然を装った。

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