[完]Dear…~愛のうた~
_________

「どうぞ」
「お邪魔します」

私はChargeの溜まり場に足を踏み入れた。

そこには……

「うわー……」

たくさんの楽器にたくさんの雑貨。

ソファーベッドやテレビなど何でもさろっている。

真ん中の机の上には……なぜか可愛い蛙が……

「素敵……」
「ほんと?よかった。あ、好きなとこ座っていいよ?」

隆弘は椅子に腰掛ける。

で、私は……すぐそこにあったおもちゃの箱の上に座る。

「そこ?」

隆弘は苦笑い。

「あ、うん」
「乗って壊れしないなんて実彩軽いんだね」
「何言ってんの!?私凄いバクバク食べるからめっちゃ太ってるの!!だから本当はダイエットとかしたいんだけど……私運動苦手だし……」
「実彩の足細すぎでしょ!?ダイエット何かしたらダメだよ!!」

「いや、しなきゃダメなんだよ!!」

と言いたいところだったが、隆弘の目が真剣だったので私は素直に頷いた。

そして私は一通り部屋の中を見渡すと……

「ん?」

見覚えのある物が目に入った。

「どうかした?」
「へ?いや、ちょっと……」

立ち上がってそれを手に取る。

やっぱり……

私の手には私達PEACEの写真集。

「あ、それ?それね、真司のなんだ」
「え?」
「真司PEACE?好きなんだけど、それ以上に杏ちゃんが好きなんだぞ?」
「え!?そうなの!?」

何か意外……

クールボーイだったからかな?

「あいつさ、暇さえあれば杏ちゃんかわいいって言ってんの!!どんだけだよって感じ」

隆弘はクシャっと笑ってさっき買ったコーヒーを一口飲む。

「じゃあ……杏奈と真司さんくっつけようか?」
「え?どうやって?」
「んーと……それは後で考える」
「何それ」
「でも、まずは杏奈に気があるかどうか確かめないと!!あ、でも杏奈光さんがいいとか言ってた気が!!」
「ぶ……ゴホッゴホッ」

隆弘は飲んでいたコーヒーでむせる。

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