[完]Dear…~愛のうた~
「あ、光さんこんにちは」
「おぉ、こんにちは。つか、もう夕方だけどな?」

実彩にハハハっと笑う光に疑問を持つ。

「光俺のこと隆って呼ぶんだな」
「へ!?」

光は目を大きく開いて俺を見る。

「いや、いつも辻って呼ぶじゃん?」
「いやーそれはだなー、えーっと……」

何か考えてるし……

「ふふふ……」
「え?」

実彩は光を見て笑っている。

「いや、何かおもしろい方だなーと思って」
「だろだろ?俺実はチャラいとか思われるけどめっちゃおもしろいんだよ!!」
「自分で言うってどうかしてるでしょ」

光に厳しいツッコミを入れて楽しそうに笑う実彩。

実彩ってそんな顔誰にでも見せるんだな……

何だかモヤモヤして胸が若干痛くなった。

「ねー、隆弘」
「何」

さっきのことが気になって冷たく接してくれる。

「光さんっておもしろい人だね」
「へー」

なんだよさっきから光、光って……

って、何思ってんだよ。

「……隆弘どうかした?」
「別に?ちょっと俺用事思い出したから二人で話してれば?じゃあな」
「え?ちょ、隆弘!!」

俺はそのままそこを後にして溜まり場に向かった。

__________

「ふぅ……」

俺は一人寂しく携帯のニュースを見ていると……

「あ、隆やん」

溜まり場に真司がやって来た。

「杏ちゃんと終わったの?」
「終わったで?そういえばこれからPEACEの二人でレコーディングするって言ってたで?」
「へー……」

時間無いのになんで実彩は俺と話しんだろうと思ってると真司が俺をジーッと見てくる。

「何?」
「いいんか?」
「は?」

こいつは何を言いたいのか……

「実彩ちゃん困った顔してたで?」

真司の言葉に思わず真司の顔を見た。
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