[完]Dear…~愛のうた~
「実彩ちゃん、目覚ましたで?」
「そっか、よかった……って」
なんでこいつが知ってんだよ?
「さっきあーちゃんに聞いたんや。
実彩ちゃん気絶しとったって」
あぁ、杏ちゃんね……
「で、隆はどうするんや?」
「え、どうするって何が?」
「実彩ちゃんと何かあったんやろ?
さっき実彩ちゃんが
隆はどこやねんって心配そうにして、
申し訳なさそうな顔しとったで?」
実彩が……?
「実彩、記憶あるの?」
「そんなんバッチリ覚えとったわ。
記憶に異常はないらしいで?」
そっか、すっかり実彩に
さっきの記憶がないと思ってたけど……
「俺、もう一回伝えたんだ、実彩に」
「まぁ、そんなことやろうと思ってたわ。
で、どうだったん?」
「予想的中で普通に断られた、けど……」
「けど?」
「曖昧だったんだよな、答えが」
「……何て言われたん?」
「私のそばにいると迷惑かかるからって、
でも俺のことは好き、
みたいなこと言われた」
俺の頭ん中はその意味を探ってるうちに
益々わからなくなってきた。
「だから実彩ちゃんのこと避けてるんか?」
「へ?避けてなんかいないけど」
「でもいつもの隆じゃないで?
いつもならきっと
実彩ちゃんが目覚ましたって言ったら
いつでも飛んでったやろ?」
言われてみればそうかもな……
実彩のこと好き過ぎて
バカみたいになってそうだし。
「俺には少しだけでも実彩ちゃんのこと
避けてると思うんやけど、違うか?」
いや、きっと少し実彩に会うのが
怖くなってるはずだ。
気持ちを素直に伝えたのと、
実彩の言葉が理解出来なくて
会いづらいんだと思う。
「でも、隆間違ったらあかんよ?」
「え?」
「よく考えてみ?
これからあの仕事をやらなくても
実彩ちゃんとはどこかの仕事で
必ず一緒になるはずや。
事務所だって同じなんやし。
今顔を合わせておかないと
そのうち合った時もっと気まずいのは二人やで?
ましてや、まだ隆は実彩ちゃんのこと好きなんやろ?
違うか?
好きな奴ほっとくなんて男として最低や。
実彩ちゃんのことよく考えてみ?
どうしたらええかわかるやろ?」
その言葉で俺は急いで立ち上がり
実彩が待つ部屋のドアの前に立った。
「だよな、こんなの俺らしくねーよな」
いつもバカみたいに
はしゃいでうるさい俺が黙ってるなんて
気持ち悪い。
俺のチャームポイントは明るさと厚い唇だ。
「サンキュー、真司」
俺は片手を上げてドアをノックした。
「なんやねん、あいつ。
なんでもないねんな」
そう真司が笑ってるなんて知らずに……
「そっか、よかった……って」
なんでこいつが知ってんだよ?
「さっきあーちゃんに聞いたんや。
実彩ちゃん気絶しとったって」
あぁ、杏ちゃんね……
「で、隆はどうするんや?」
「え、どうするって何が?」
「実彩ちゃんと何かあったんやろ?
さっき実彩ちゃんが
隆はどこやねんって心配そうにして、
申し訳なさそうな顔しとったで?」
実彩が……?
「実彩、記憶あるの?」
「そんなんバッチリ覚えとったわ。
記憶に異常はないらしいで?」
そっか、すっかり実彩に
さっきの記憶がないと思ってたけど……
「俺、もう一回伝えたんだ、実彩に」
「まぁ、そんなことやろうと思ってたわ。
で、どうだったん?」
「予想的中で普通に断られた、けど……」
「けど?」
「曖昧だったんだよな、答えが」
「……何て言われたん?」
「私のそばにいると迷惑かかるからって、
でも俺のことは好き、
みたいなこと言われた」
俺の頭ん中はその意味を探ってるうちに
益々わからなくなってきた。
「だから実彩ちゃんのこと避けてるんか?」
「へ?避けてなんかいないけど」
「でもいつもの隆じゃないで?
いつもならきっと
実彩ちゃんが目覚ましたって言ったら
いつでも飛んでったやろ?」
言われてみればそうかもな……
実彩のこと好き過ぎて
バカみたいになってそうだし。
「俺には少しだけでも実彩ちゃんのこと
避けてると思うんやけど、違うか?」
いや、きっと少し実彩に会うのが
怖くなってるはずだ。
気持ちを素直に伝えたのと、
実彩の言葉が理解出来なくて
会いづらいんだと思う。
「でも、隆間違ったらあかんよ?」
「え?」
「よく考えてみ?
これからあの仕事をやらなくても
実彩ちゃんとはどこかの仕事で
必ず一緒になるはずや。
事務所だって同じなんやし。
今顔を合わせておかないと
そのうち合った時もっと気まずいのは二人やで?
ましてや、まだ隆は実彩ちゃんのこと好きなんやろ?
違うか?
好きな奴ほっとくなんて男として最低や。
実彩ちゃんのことよく考えてみ?
どうしたらええかわかるやろ?」
その言葉で俺は急いで立ち上がり
実彩が待つ部屋のドアの前に立った。
「だよな、こんなの俺らしくねーよな」
いつもバカみたいに
はしゃいでうるさい俺が黙ってるなんて
気持ち悪い。
俺のチャームポイントは明るさと厚い唇だ。
「サンキュー、真司」
俺は片手を上げてドアをノックした。
「なんやねん、あいつ。
なんでもないねんな」
そう真司が笑ってるなんて知らずに……