皇帝のお姫様
そう言うと彼方は思い出したように話し出した。
「そうそう‥
琳やっぱり入ろう?」
『皇帝だっけ?
知らないけど。なんで入らないといけないの?』
「うーん皇帝はね~
ここら辺で1番強い族のチームなんだ~
でも、悪い族じゃなく良い族だから!悪い族だったら“覇翁”(ハオウ)の方だし」
覇翁‥
あいつらの下っ端って
凪が言ってたな。
『良いよ入っても。』
「マジ?
やった!!これから
一緒にいられるね~」
「おいお前‥
名前教えろ」
喜んでる彼方と反対に赤髪男は真顔のまま私に話しかけてきた。
『聞く前に自分から名乗るのが礼儀でしょう。』
「…速水 琉 (ハヤミ リュウ)好きに呼べ。」
ードクンー
『柏瀬琳。
速水って呼ぶわ』
「琳…
鈴みたいな名前だな。」
っ!?
まさか同じ事を
言う人がいたんて…。
「あとムカつくから
俺の事は名前で呼べ」
『無理』
「良いから呼べ」
『無理。
名前呼ぶなら入らない。』
そういうと速水は舌打ちをして黙った。諦めたようだ。
「もー琉名前
くらいで妬かないの」
「妬いてねぇよっ
何で俺が妬かないといけないんだよ!」
「あっ琳さぁこれからたまり場に行かない?」
速水の言葉なんて無視して私に話しかけてきた。
『えぇ。』
「じゃ今から行こうか」