皇帝のお姫様
そのまま、しばらく寝ていると扉が開いた。
ボソ
「‥なんで女が」
男は小さく呟いた。
1人になりたくって屋上に来たけど人も来た事だし教室に戻ろう。
起き上がって
扉の方に向かった。
小さく呟いた声の主が扉の横に座っていた。
赤髪で青い目。
スッとのびた鼻筋。
耳辺りまで伸びた髪。
一言で言えば整った顔。
そして族に入っている。纏っている雰囲気が普通の奴らと違うから分かる。結構強いのだろう。
いつも無意識に相手を倒せる相手か倒せないかを見極めてしまう。
男は少しの間だけ私を見上げすぐに目を閉じた。
何の会話をする事もなく私はそのまま屋上から
出て教室に戻った。
――
―――
――――
ガラッ
入った瞬間騒がしかった教室が静まり返った。
そんなの気にせず
自分の席に座った。
「ね、柏瀬は眞田と
どういう関係?」
座ると前の席に座る
男が話しかけた。
『あなたに
言う理由はないわ』
「言えない関係?てことはもしかして恋人?」
『……………』
「返事ないって事は当たり?愛し合ってるんだ?」
『ねぇ君。
その口静かにしてくれないと死んじゃうよ?』
「はぁ?お前バカなんじゃないの?俺が死ぬわけないじゃん。そんな事言うって事はやっぱり2人は付き合ってるんだろ?」
自信満々にそして楽しそうに言ってくる男。
こういうバカな奴と話しても無理だ。疲れるだけ。
ピッ
『私。うん、来て。』
そう思って携帯であいつを呼び出した。
バカな奴は身体で
覚えた方が良いから。