starting over
甘く幸せな週末は、あっという間だ。

帰りたくない、帰したくないでウダウダしてしまう自分とほののために、ずっと考えていたことを実行することにした。

「ほの、手、出して。」

きょとんとした彼女の手に、ポケットからあるものを出して、いつものようにぎゅっと握らせた。

「え?これって…」

俺は笑ってうなづいた。

いつも遠慮がちな彼女を安心させたかった。泣きながら俺の部屋に来たときから、いつのタイミングで渡すかを考えていた。

「これがあれば、来たいときに来れるでしょ?」
「うん。うれしい。ありがとう。」
「あと、タンス、この段はほのが使って。」

ほのがハグしながら、ありがとうを伝えてきて、少しほっとした。

明日からの働く力を、ほのはくれる。毎日になればうれしいけど…。

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