後悔なんて、ひと欠片もない


私が選んだアルバイトは、ゲームセンターの店員。


店内の清掃。
商品の補充。ゲーム機のエラー対処。


時給1000円。10時以降は1250円。


街角で見知らぬ人を捕まえて、アンケートを取る仕事より、ずっと私に向いていそうだ。


悠子も誘ったけれど、
「ガラ悪い人がいそうだからヤダ」
と断られた。




そのゲームセンターは、繁華街にあった。


でも、歩いて200メートル先に大手ゲームメーカー直営の店があるせいで、新型機勝負は諦めていた。


なので、ちょっと玄人向けいうか、古いインベーダーゲーム機を置いたりして、寂れた温泉宿のゲームコーナーみたいな雰囲気の店だった。


新人の私に渡されたユニフォームは、白いブラウスに膝上15センチの赤いスカート。



ーーえっ……

これ、他の人より短いんでない…?


そう思ったけど、小娘の私が黒服の禿げ頭の店長にいろいろ言えるわけない。


仕方なく、あんまりかがまないようにして働いた。



でも、これがハマってしまった。





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