保健室の甘い時間
「お前ら、何を騒いでいる!早く帰りなさい!」


生徒達の後ろから注意をする声が聞こえる。


「うわっ!永井だ!」


注意をしたのは諒ちゃんみたいで。

生徒達から「無表情で何を考えているかわからない」と言われている諒ちゃん。

そこまで嫌われてはないと思うけど、好かれてもない。

諒ちゃんが来た事で、生徒達はバラバラと帰って行く。


「お前かよ……。何、やってんだよ」


諒ちゃんは呆れ顔で私を見る。


「ごめん。ありがとう」


諒ちゃんが注意をして、生徒達が帰った今、ここに居るのは私と吉岡先生と諒ちゃん、そして圭太。


私は圭太に


「とにかく、帰って。それと、こんな風に学校に来られるのも迷惑だから」

「だけど、こんな風に会いに来なけりゃ、美咲会ってくれないだろ?」


お見合いをした後、何度か電話やメールがあった。

別に出られたら電話には出るし、メールも返事は返していたけど。

会う事は断っていた。


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