保健室の甘い時間
「会うわけないじゃない」

「だろ?だから、会いに来た」


圭太ってこんなタイプだったっけ?

もっと草食系だったような気がするんだけど。

なんか、受け身というか……

とにかく、自分からこんな積極的に行動するようなタイプじゃなかった。

まぁ、あの頃の私も気持ちを言えなかったし、だから、今、こんな事になっているのかもしれないけど。


「圭太、そんなタイプじゃなかったよね?“会いに来た”ってそんな積極的に行動するようなタイプじゃなかったでしょ?」

「高校卒業した後さ、美咲と会えなくなって気持ちを伝えられなかった事を後悔したんだ。もう後悔したくないから、自分の気持ちに正直に行動しているだけ」


引き下がる気のない圭太。


「美咲、話まとまらないなら場所変えたら?いつまでも学校の前に居るわけにはいかないだろ」


そんな私達の間に、諒ちゃんが口を挟む。

私としてはここで帰ってもらいたかったけど。


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