保健室の甘い時間
「なぁ、美咲。彼氏ってこの人?同じ学校って言ってだよな?」


圭太は諒ちゃんを見て言う。


何か、さらに話がややこしくなっている気が……


「違う」

「美咲さんの彼氏は俺です」


私が否定するのと同時に、今まで黙っていた吉岡先生が口を開く。

そして、私の肩を抱き寄せる。


「ふーん」


圭太は吉岡先生の事をじっと見る。

吉岡先生も負けじと、圭太を睨んでいる。


「吉岡先生、ここ学校なんで、落ち着いて下さい。で、美咲……」


諒ちゃんは吉岡先生をなだめ、私を見る。

“さっさとなんとかしろ”と目で訴えて。


「とにかく、帰って。今度、ちゃんと話しよ」


そう提案すると


「わかった。じゃぁ、また連絡する」


そう言って、圭太は車に乗り込もうとする。

だけど、振り返り


「ひとつだけ」


吉岡先生の方を見る。


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