保健室の甘い時間
「吉岡先生、次の授業の準備はいいんですか?」


別に吉岡先生だから言ったわけでもないし、だからって“違います”ってわざわざ言うのもヘンだし……

私は吉岡先生の問いには答えず、話を変える。


「はい。僕、次の時間も授業無いですから」


授業は無くても、何かしら準備や、教える為に自分自身も勉強というか、予習みたいな事をしなくてもいいのだろうか……


「そうですか……」


と言いながら、私は自分の仕事をする。


だけど、座ったまま動く気配の無い吉岡先生。


「……先生?」


私は

いつまで居るのだろう

という目をしながら、吉岡先生を見る。


「ここにいちゃダメですか?」


私の思っている事に気付いたのか、吉岡先生はシュンと寂しそうな目をして私を見る。


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