保健室の甘い時間
そして、残された私達の間に沈黙が流れる。


「あっ、あの……。吉岡先生?」


座っている私は、立ったまま私の肩を抱き寄せている吉岡先生を見上げる。

すると、


「あ゛ぁぁー」


吉岡先生は私の肩から手を離し、その場にしゃがみ込む。


「えっ、吉岡先生?」


私は慌てて吉岡先生のそばにしゃがむ。


「今、俺の顔、見ないで下さい」


そう言って、吉岡先生は顔を背ける。


「えっ?」


訳がわからないでいると


「だって、俺……、今カッコ悪いじゃん。永井先生が岩瀬先生の事好きだって、ずっと勘違いしてたんだから。それに、今だって……」


そこまで言うと、吉岡先生は黙ってしまう。


「“今だって”、何?」


私はそんな吉岡先生の顔を覗き込む。


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