保健室の甘い時間
「ここの扉開ける前、話し声が聞こえて。でも、内容まではわからなくてさ……。

もし、お見合いの断りの電話をしていたとして、それで、断れなくて、お見合いをしなきゃいけなくなったら……。もし、お見合いをして相手の事を気に入ったら……。そう思うとすごく不安だったんだ」


吉岡先生は、私を抱きしめる腕の力を強める。


「大丈夫だよ。例え、お見合いをする事になったとしても、ちゃんと断るつもりだったから」


そして、私は吉岡先生の腕の中から顔を上げ


「ねぇ……、もう怒ってない?」

「えっ?」

「だって、お昼休み前ここに来ていた時、機嫌悪くなってそのまま出て行ったから……」


そう言いながら、私は俯こうとする。

だけど、私の顎をくいっと持ち上げられ、吉岡先生の唇が私の唇に軽く触れる。


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