保健室の甘い時間
「っていうか、彼氏がいるのにお見合いしたいってどんな人かと思ったよ」

「お見合いの話聞いた時は、断ろうと思ったんだけど。でも、相手が美咲ってわかってお見合いをしようと思ったんだ。だって、美咲、なかなか帰って来ないだろ？成人式の後、みんなで集まった時にも来なかったし」


私は大学入学前に引越し、住民票も移していたから、成人式はその時に住んでいた所で参加した。

『夜、高校の時の友達と集まるから帰って来い』って、友達から連絡があったけど、大学の友達と約束していたから、私は帰らなかった。


「あの時は、大学の友達の地元を離れた組で先に約束していたから」

「その後も、年末とかみんなで集まるって連絡したって聞いていたのに、帰って来なかっただろ」


そう言いながら、圭太は笑う。


「それはいつもタイミングが合わなかったんだもん」

「まっ、だからさ、お見合い相手が美咲ってわかった時、なんとしてでも帰って来さそうと思ったんだ」

「まぁ、最近、実家にもあまり帰れてなかったからいいけど。でも、相手が圭太でよかったよ」


私は、圭太を見ながらにこっと笑う。


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