保健室の甘い時間
「……それって、どういう意味?」

「えっ?だって、本当にお見合いだったら、いくら彼氏がいる事言っているとはいえ、ちゃんと断らないといけないからさ」

「俺はお見合いのつもりだよ?言っただろ?“お見合いをしようと思った”って」


圭太は真剣な表情で私を見つめる。


「な、何言って……」


圭太に見つめられ、私はドキッとしてしまう。

私が、固まっていると、圭太はふっと表情を緩め


「美咲の彼氏ってどんな人?」


最初、会った時と同じように、にこにことしている。


「えっ?あぁ、同じ学校に勤める人だよ」

「へぇ。付き合ってどれくらい?年上?年下?」


圭太はどんどん質問してくる。


「えっと、最近付き合い始めたから……、1ヶ月くらいかな。それと、年下だよ」

「年下?いくつ?」

「8歳下だから、今、25歳かな」

「ふーん……」


圭太は私を見つめたまま、黙り込む。


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