俺様サッカー少年と私。
放課後になり、
私の補修に付き合ってくれているゆなちゃんが手をふっととめた。
「…ゆなちゃん?」
「ねぇ、廊下であんたの王子の声がするよ」
「まーた嘘ばっかりつい…て」
その瞬間、
確かに辻川くんの声が廊下から響いているのがはっきり耳に入った。
「ね?小夏、行きな。」
「へっ?行くってどこに…」
「だーかーらっ、好きっていいに行くの!」
「へぇ!?そんないきなり無理だよぉ…」
「なにいってんの!いまは辻川一人だけだしチャンスじゃんか!」
「うぅ…。…ゆなちゃん…。」
「ほらほら!」
背中を押され、テクテクと思い足取りでトクントクン、となる心臓を押さえながら廊下に立った。