好きにさせた責任とってくれる?
「もういい。わざわざありがと」
私が解放されたのは、数分たった後。
もしかしたらもっと短かったかもしれない。
桐生くんの手が触れてて、目の前に桐生くんがいて…
ドキドキが止まらなかった。
ほんの少しの時間が、ものすごく長く感じたんだ。
その間、ずっと桐生くんはどんな顔をしているのだろうと気になっていた。
かっこいい桐生くんが涙を流す姿も、きっとかっこいいんじゃないか、とか。
気になってパッと顔を上げて見てみると、なんとなく目が赤くて、うるっとしていた。
でもどこかスッキリしたような、何かを心に決めたような…
そんな顔をしていた。