好きにさせた責任とってくれる?
沙耶ねぇが言うんだから、間違いないよね?
きっと、桐生くんが受け取って食べてくれますように。
「恋羽ー?」
「ん?何ー?」
「クッキーの様子見てるなら、焼き加減見ておいてくれる?少しやってきたいことあるから…」
「うん、全然いいよ、」
お願いね、と沙耶ねぇは部屋の奥へと消えていった。
***
まだかな…
そろそろいい時間な気がするんだけど。
何もせずにじっと待つ待ち時間は、長く感じるもの。
時には短くも感じるんだけど。
クッキーの焼き色はどんな感じかな?
チラッと覗いてみるけれど、あまり良く見えない。
そう言えば、良い焼き加減ってどのくらいなんだろう…
「恋羽、クッキーどう?」
そうこうしているうちに、どこかへ用事をたしていた沙耶ねぇが帰ってきた。
ナイスタイミングだよ、沙耶ねぇ。