好きにさせた責任とってくれる？

というのも、予め甘すぎるのが苦手そうな桐生くんのために少し砂糖を少なめにしたんだ。



したというか、沙耶ねぇにしてもらったんだけど…



そんな味の調整をしたクッキーの味も上手くいっている。



さすが沙耶ねぇだなーなんて。



それから冷ましたクッキーを買ってきた可愛い袋に入れてラッピングをする。



白いレース模様の袋に、赤いリボン。



桐生くんが喜んでくれるといいな、と精一杯の願いを込める。



ついに桐生くんの誕生日は明日。



「恋羽、せっかく作ったんだから、頑張って渡すのよ？」


「もちろん！」



何度だって渡して、受け取ってもらうんだから。



諦めない。



きっと少しでも私の気持ちが伝わるように。



「沙耶ねぇ、ありがとう」