好きにさせた責任とってくれる?
「あっ…」
ちょうど桐生くんが学校の門をくぐる姿が見えた。
「来たわよ!」
その一言でみんなの目が光る。
私はこんな一大イベントみたいなものに参加したことがないから、どれくらいすごいのかなんて想像もつかなかった。
いつ渡そうかとソワソワしていると、みんな生徒玄関へと走っていく。
「へっ……」
あまりの迫力に、言葉が出ない。
さっきまで私と同じように窓際にへばりついていた女の子たちはもういない。
…みんな行動早すぎません?
私ってば、完全に乗り遅れちゃってるじゃん。
みんなより遅れて、その開いてしまった距離を取り戻そうと後を追った。