好きにさせた責任とってくれる?
「はぁ、はぁっ…」
みんな足、早すぎ!
私が生徒玄関についた頃には、既に女の子たちの輪で桐生くんの姿は全く見えなかった。
こんな時なんかは特に、この小さな背を恨む。
桐生くんの姿を見るために早く学校に来て窓際を陣取ったっていうのに…
これじゃ、全然意味ないよ。
「「「きゃあーーーーーっ!!」」」
一人でショボンと落ち込んでいると、甲高い悲鳴が沸き起こる。
きっと桐生くんが中に入ってきたんだ。
見えないけど……
こんなに囲まれて、どんな気分なのかな。
桐生くんのことだから、面倒くさいなとか、うるさいなとか……
きっと不機嫌だ。
その瞬間、ドサッと物がバラバラと落ちる音がした。
カチャッという音とほぼ同時だったから、桐生くんが靴箱の扉を開けた瞬間に“モノ”が落ちたんだ。
桐生くんへのプレゼントが。