好きにさせた責任とってくれる?
チラッと振り返って、人気が一気に無くなった生徒玄関の方を見ると、桐生くんへのプレゼントと思われるものがそのままになっていた。
さっきの音の正体。
20個くらいはありそう……
桐生くんのことだから、あの中から1つももらっていってないはず。
きっと今だって。
貰ってくれるなんて確率は、限りなく0に近いけど
もし、たった1つでも受け取ってくれるなら、私のを受け取って欲しい。
そう願いながら、集団の後をついて行く。
人が居すぎて前にもなかなか進まない。
あまりの人数で廊下を塞いでしまっていて、何も関係のない生徒も巻き添いをくらって、立ち往生してしまっている。
当たり前のように、私たちの教室に着くまでみんなが去っていくこともなく、大きな集団のまま、教室までたどり着いた。
やっと教室についた頃には、既にホームルームが始まる1分前。
それからすぐに始まりを告げるベルが鳴る。
それを合図に、桐生くんを取り巻いていた女の子たちは一時退却と各クラスに戻っていった。