好きにさせた責任とってくれる?


「よく似合ってるよ」



「…ありがとう」



「そうだ」



「……?」



何かを思い出した様子の桐生くん。



「恋羽にもらった麦わら帽子。タグに小さく葉っぱの絵が描かれてたんだ」



確かにその麦わら帽子にもお母さんが描いてくれたはず。



「ずっとあれがわかんなかったんだよな…やっとわかったよ。木の葉だって早くわかればもっと早く気づけてたのにな」



そこまで頭が回らなかったと言う桐生くん。



ただの葉っぱの絵じゃわからないよね?



私だけがわかる私のマークだったんだから。

< 296 / 300 >

この作品をシェア

pagetop