ねぇ、先生。
そうこうしているうちに移動の時間になって、あたしは梨花と並んで体育館に向かう。
シロはあっという間に友達を作ってて、すでに輪の中心にいた。
…3年間ずっとあの調子だったな。
「担任誰だろうねー?」
「あー、そっか。担任も変わるんだ。」
「今年は新任の教師も多いらしいよ新任だと楽でいいよね。」
鼻歌なんて歌いながら歩く梨花。
あたしも新任希望。
梨花の言う通り、慣れてない人だと何かと楽な気がするから。
「あ、そういえばさ、ビターさんとはどうなったの?」
「……今度来たら名前と歳聞こうと思ってたんだけど、それから1回も来てないんだよね」
項垂れるあたしの頭をポンポンと撫でる梨花。こんなこと梨花にしか言わない。