ねぇ、先生。

「あたしも。まだ時間あるし」

グッと伸びをしてため息をついた梨花。

どんよりしてるのは梨花とあたしだけじゃなく、クラス全体。

雨のせいっていうのもあるけど、文化祭が終わって疲れが一気にドッと押し寄せたみたい。


残す行事は夏休みが終わってからある体育祭のみになってしまった。

それが終われば、みんな本格的に受験生モードに突入する。

それが分かっているから、こうして行事が終わっていくのが嫌なんだ。


「…クレープ、いつ食べに行こっか」

「クレープ?」

「…約束したでしょ?クレープ奢ってあげるって。」

記憶を辿っていくと、文化祭前日に梨花が言ってたことを思い出した。

あたしが先生に振られたら、クレープを奢ってくれるんだっけ。


「そっか、そうだったね」

あの日から先生と一度も話してない。

それどころか、目も合わせてない。

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