ねぇ、先生。
先生があたしを避けてるわけじゃない。
むしろいつも通りに接しようとしてくれるけど、あたしが一方的に先生のことを避けていた。
振られたことに怒ってるわけじゃない。
そんなの当然だし、そんな状況になるキッカケを作ってしまったあたしの方が悪いんだから。
…ただ、まだ目を合わせて話すには抵抗があるっていうか…
決めたんだ。
先生への気持ちが完全になくなるまで、あたしから関わるのはやめるって。
「…茉央、大丈夫?」
「…何が?」
あたし、そんなに酷い顔してたかな。
「…ううん、何でもない。茉央が中村先生と進路の話が終わったら、クレープ食べに行こっか」
「うん、ありがと」
あれから1週間。
篠原先生はちゃんと毎日教室に来るし、目が合うと前みたいにふにゃんと笑ってくれた。
…きっと、あたしが気まずくならないようにそうしてくれてるんだ。