ねぇ、先生。
「俺、バイト!」
「あたしあいてる」
「じゃあ咲良、高橋の次に面談な。」
それだけ言うと、またダルそうに必要事項だけ生徒に伝えていく。
帰りのホームルームのときの中村さんはいつもこんなテンション。
疲れてるって誰が見ても分かるくらい。
「茉央、進路決まってないんでしょ?」
「うわ、そうだった」
「何、お前まだ決まってねぇの?」
「シロ決まってんの?」
そんなに興味ないけど、咄嗟に言ってしまった。シロは自慢気に自分の進路について話そうとする。
…きっと大学だろう。
「家から一番近い大学だな。」
「あー、ここからも近いとこね。」
「そうそう。お前も来れば?」
「行かない。」
卒業してもまた春からシロに毎日会うなんて、体力保たないって。