ねぇ、先生。
「決まってねぇならいいじゃん。」
確かにまだやりたいことは決まってない。
将来自分がどんな仕事をしてるかなんて、想像も出来ないから。
「シロと同じとこなんて嫌。」
「ちょっと待って、傷つくから。」
うちの近くの大学でもいい。
いや、いっそのこと一人暮らしするくらい遠くの大学に行こうか。
……ほんと、適当だな。
「じゃあ高橋、これから面談な。」
シロと話してるうちにいつのまにかホームルームは終わってて、梨花が中村さんと出て行く。
あたしはここで待ってろってことか。
少し教室内を見渡すと、生徒に囲まれてる篠原先生を見つけた。
いつもと同じ。
やっぱりいつでも絵の具付けて1日を過ごしてるんだよね。
…そういえば、あの絵どうなったのかな。
あたしが美術室に通わなくなってからも、続きを描いてるのかな。