ねぇ、先生。
「やりたいこととか、興味あることとかないのか?」
「んー…分かんない」
もしかしたら自分が気付いてないだけで、学びたいことはあるのかもしれない。
だからって今考えてもスッと出てくるほどのものでもなさそうだ。
「ふーん。まぁまだいいけど、一応大学は調べとけ。損はねぇから。」
「はーい。」
適当な中村さんのことだから、これで話は終わりだろうと思ってた。
バレないように時計を盗み見ると、ここにきて10分も経ってない。
帰って一応大学でも調べようかな、なんて思ってたときだった。
「お前さ、何かあった?」
机に向かって何か書きながら言った中村さんは、どうやら気づいてるようだ。
最近あたしの様子がおかしいことに。
「…何で?」
やっぱりよく生徒を見てる。