ねぇ、先生。

「お前が入学したときから担当してんだぞ。そのくらい気づく。」

中村さんがあたしの体育の担当になって、もう3年目に突入した。

3年も同じ教師に担当してもらうなんてあまりないから、あたしにとって中村さんは少し特別だったりする。


「お前の場合は特に、分かりやすいし。」

だからシロにも心配されるんだ。

上手く隠すことが出来たらこんな風に迷惑かけることもないのに。

忙しいはずなのに気にしてくれるのは、やっぱり中村さんは責任感が強いから。


「…深く聞くつもりはないけど、篠原先生と喧嘩したなら仲直りしとけよ?」


一瞬、息が出来なかった。

中村さんの口から篠原先生の名前が出るなんて思ってなくて。

しかも、あたしの様子が変なのは篠原先生絡みだって気づいてることに驚いた。


「…何で、篠原先生…」

「だから、見れば分かるって言ってんだろ。篠原先生の様子も変だったし。」

こっちを見て言わないのは、まだ他に何か気づいてることがあるからなのかな。

…鋭い中村さんならきっと、何があったのか気づいてるはず。

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