ねぇ、先生。

「…中村さん、あたしどうしたらいい?」

何でこんな質問をしたのか、自分でもよく分からなかった。

どうしたらいいかなんて分かってる。

…中村さんの返答も。

だって、一つしかないんだもん。


「…好きにすれば?」


思わず俯いていた顔を上げた。

ふざけてるのかと思ってたけど、表情は真剣ですぐに本気だと分かった。

好きにすれば、って。


「…何それ、ダメじゃん」

もしかしたら期待していたのかも。

相手は中村さんだから、先生としての答えとは別の答えが返って来るんじゃないかって。

…分かっていて聞いたのか。


「俺は一応お前の担任だから、応援はしないし協力もしない。だけどとめるつもりもない。好きにしろ。」

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